絞丸太です。(京木とも言います。)
絞ったような模様が表面にあるところからの名称です。
床柱(床の間の飾り柱)として、研究改良を重ね
現在の模様をつける技術が確立してきました。
つまり、この絞ったような模様は人工的につけてます。
人造絞丸太とも呼ばれる所以です。
この模様、まだ森に育っている杉の木から、
真っ直ぐで、枝節などの無い良質なものを選んで、
箸のような形状の型を数多く、針金または針金状のモノで一本一本巻きつけていきます。
もちろん、木は生えた状態です。
成長に合わせて、表面に巻きつけた型がつきます。
タイミングを見計らい木を切出せば絞丸太の完成です。
簡単そうですが、生きてる樹木が相手です。
イレギュラーが多く、良い商品に仕上がるのは一握りです。
この頃は、床柱にこだわらず色々な使われ方をしています。
縁側桁と組合わせて、垂木(たるき)に使うことが多いので、
「タルキ丸太」と総称のように呼ばれます。
細い杉丸太です。
3cmから9cmくらいの直径で、
直径が6cmまでは、強度面などを考えて、
背割り(割れを人為的に入れて、丸太全体の割れを抑える)を
入れません。
5mを超える長さのモノも使うので、一概には言えませんが、
2mから4mくらいのモノが一般的だとおもいます。
聞きなれない言葉ですが、「海布(かいふ)丸太」の方が、
総称としてふさわしいかもしれません。
「海布」ですが、
海辺で布をほしていた道具の名前に由来すると聞いたことがあります。
もし詳しい方おられましたら、お教えください。
この「タルキ丸太」は、内装用の棹(さお)などにも使い。
節の有無や、長さなど、幅広く。
生産現場でも、杉林の手入れに細心の注意のいるところです。
前丸床柱は、杉の株の張った丸太を側面と株の部分を面取りして、
株の木目を見せる床柱です。
たんに「前丸」や、面のとり方をタイコに挽くところから「タイコ」などと言いいます。
正面のタケノコ状に木目の見える部分は、カンナで仕上げてると、
ツヤのある木目が綺麗です。
この柱を好むのは、中国地方と兵庫県と京都の一部だとおもいます。
特に岡山県、島根県、鳥取県で好まれます。
ドラマや映画で、この地域の和室のシーンが映るときに、
あめ色になった前丸床柱を目にすることがあります。
木目も良いツヤが出ていて、月日が経つとああゆう風になるんだなと
感心することがあります。
正直、生産は限られています。
その理由は、生産条件が限られてくるからです。
まず、株に根の張っていること。
根の張りを正面として、木が丸太材として左右に反らずに、直材であること。
床柱として使用されるので、手入れの行き届いた丸太材であること。
太さが頃合の樹齢であること。
簡単そうですが、この条件がなかなか揃わないのです。
良い株の根に張りがあっても、手入れの悪い丸太では、ダメです。
反対に、手入れの良い丸太でも、根に張りが無いともちろんダメです。
手入れが良く、根に張りがあっても、自然が育てるの木なので、
床柱に使えない左右の反りがあることもあり、
やっぱり前丸床柱としては、ダメです。
もちろん、若すぎて細かったり、育ちすぎて太くてもダメです。
条件の揃った山林だと、数本づつ隣あわせで育っていることもあります。
でも、ほとんどの場合、広い範囲を探してもみつけられないことが多いです。
最近は、手入れの良い山林が減り、良材を見つけることが難しくなってきているのが現状です。
杉の丸太に、絞り模様が出た感じなので、「出絞」です。
たんに「天然絞(てんねんしぼ)」「天絞(てんしぼ)」と呼んだりします。
対して、天然絞丸太を「天然入り絞(てんねんいりしぼ)」と呼んで、
区別したりしています。
「出絞」も「入り絞」も、「天然絞」なのですが、
「天然絞(てんねんしぼ)」「天絞(てんしぼ)」と言えば、
天然出絞丸太が一般的です。
それだけ、入り絞模様の「天然絞丸太」の流通量が少ないのです。
さて、天然出絞丸太ですが、自然とこの出絞り模様が出てくるので、不思議です。
模様は、写真のものが一般的ですが、他にも違った感じの模様のモノもあります。
用途は、床の間の飾り柱(床柱)が主です。
また、その模様の面白さから多様に使われ、
家具の部材に使用されているのも目にしたことがあります。
桧は、杉と並んで良く耳にする木の名前だと思います。
磨丸太としての桧丸太は、杉磨丸太に比べ生産量が少ないです。
特徴としては、表面が杉に比べきめ細かく優しい感じです。
写真では、わかりずらいですが、実際に手でふれてみるとわかります。
また、桧は独特の芳香があります。
ただ、杉に比べ、桧丸太は、真っ直ぐさに欠ける傾向が有ります。
磨丸太は、製材せずに丸太のまま使用するので、
生産が杉磨丸太より難しい。またそのことが、
桧丸太が杉に比べ生産量が少ない一因でもあると思います。
生産量は植林面積や使用用途など他の要因もあり、
一概には言えません。
それゆえに、桧丸太は杉丸太より高貴なイメージとともに、
価格も総体的に、杉の磨丸太よりも高価です。